後に残らないお仏壇のかたち/納骨後のお悩み

昨年ご主人を亡くし、今は一人で暮らしているMさん。
満中陰後に善称寺のお墓に納骨されましたが、
今日はあらためて相談があって来られました。
相談内容は、

・葬儀社が残していった白い仏具はどうすれば良いの?
・納骨後は遺影写真にお線香やお水をお供えし、手を合わせてきたが、
最近友人に「そんなことしても意味ない」と言われた。そうなの?
・夫の死後すぐは、お墓も仏壇もいらないと思っていたが、最近になって手を合わせる場所が欲しいと思うようになった。しかし、娘二人は他家に嫁いでおり、そのことを相談すると「お仏壇いらないって言うてたやん。今さら私たちの迷惑になるような物を買わないでよ」と強く言われ、とても傷ついた。

と、上記の3点でした。

まず最初の白い仏具とは、線香の香炉、花瓶、ろうそく立て、のことですが、
これらは葬儀を行なった葬儀社に連絡をして引き取ってもらいます。

お仏壇のことですが、
ご主人亡き後、
Mさんの心のよりどころとしてぜひお迎えして欲しいところですが、
娘さんたちの気持ちも分かりますし難しいところです。

そこで「納棺尊号」をご紹介いたしました。
それは、小さな小さな阿弥陀様のことで、
生前は仏壇として手を合わせていただいて、
Mさんが亡くなった時には棺に入れて荼毘にふすことができるというものです。
「私が死んだら一緒に棺にいれてね」と娘さんに伝えておけば良いのです。

結果的にはMさんは大変喜んで、
すぐに「納棺尊号」を注文されました。
そのあと、最近の出来事など雑談をしばらくして、
「あ〜、気持ちがスッとした」といって帰られました。

私たちの礼拝の対象はいつでも阿弥陀さまであり、
写真や位牌ではないということ。
それはなぜなのか、ということと合わせて
これから少しづつ知って頂きたいです。

手のひらに乗るくらいの小さなお仏壇です。
阿弥陀さまのお姿が描かれた絵像と、
文字で南無阿弥陀仏と書かれた六字名号の、
どちらかを選びます。

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