御絵伝(ごえでん)のお披露目

先日、報恩講法要がお勤めされました。
報恩講法要は親鸞聖人のご法事で、浄土真宗で最も大切な法要です。
毎年、御命日を一月に控えたこの時期に、
全国のお寺でお勤めされるのです。

ところが、誠に恥ずかしながら
善称寺で報恩講法要がお勤めされた記憶がありません。
前住職の父にたずねると、
「おじいちゃんの代からお勤めしてなかったから、
しなくても良いと思っていた」とのこと。
何ということでしょう!
まさに手探りの状態で報恩講の準備が始まったのです。

準備を進める中で印象的だったのは、
御絵伝(ごえでん)と呼ばれる掛け軸が、
お寺の押し入れの中から出てきた時のことです。

御絵伝は親鸞聖人のご生涯を四幅の掛け軸に描き表したもので、
報恩講法要の際に内陣に掛ける慣しがあります
ホコリをかぶった古びた木箱を開け、
恐る恐る軸を紐解いて見ると、中身は美しく保たれており、
裏書きに「釈 法如 宝暦三年癸酉六月十二日」とあります。
西暦で言うと1753年で、当時のご門主である法如さまの署名です。
と言うことは、260年以上昔の物ということですから驚きました。
その頃の善称寺では報恩講がされていたに違いない!
などと想像したりして。

法要当日は内陣にこの御絵伝をかけてお勤めしましたが、
お勤めのあとに、参拝者のみなさんが内陣に入ってしげしげとこの御絵伝を眺めてくださる光景は本当に嬉しかったです。

御絵伝の一部
裏書き 「釈法如 宝暦三年癸酉年六月十二日」とあります。

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