直葬・火葬式の炉前読経/和歌山市斎場にて
葬儀社より炉前読経の依頼があり、
和歌山市斎場に参りました。
直葬や火葬式でお見送りをする際には、
通常、僧侶は葬儀場に招かれません。
したがって読経の機会もありません。
しかし「せめて荼毘にふす前にお経を読んでもらいたい」。
そんなご遺族の希望があれば斎場(火葬場)で待ち合わせをして
炉の前で読経をするのです。
今日は、待ち合わせの時間より随分と早く寺を出たもので、
葬儀場に立ち寄って、ご遺族と一緒に斎場に向かうことにしました。
呼ばれてないのに突然伺った形になってしまいましたが、
結果的には大変良かったと思います。
というのも、少しの時間ですがご遺族とお話しする中で、
故人が闘病生活中に急に亡くなったことを知りましたし、
皆に惜しまれて旅立つという事を肌で感じることができたので、
私にとっては大切な時間になりました。
炉前で読経するだけの時間ではこうはいきません。
できれば、たとえ直葬や火葬式でも、
今後もこういう時間を取れればいいなと思いました。
みんなでお花を入れて、
故人の棺は、頭から足の先までお花でいっぱいになりました。
喪主のあいさつは、短い言葉の中に心がこもっており、
「よく頑張ってくれた、お疲れ様。」
という思いが伝わりました。
私も心からそう思い、合掌しました。