お墓やお葬式はできるだけ費用をかけずに/和歌山市
現在ご主人が入院中。
今年に入って余命3ヶ月と告げられたが、
治療の甲斐あって命を取り留めている。
少しでも長生きして欲しいと思っているが、
お葬式とお墓のことはあらかじめ段取りしておきたい。
先日資料請求をしてくださった方が、
一度現地を見ておきたいとのことで足を運んでくださいました。
丁寧な姿勢の方で、小さな体で何度もおじぎをする姿が印象的です。
善称寺の合葬墓「縁」の法要つきを選ぶ予定だそうです。
お葬式は慎ましく、善称寺からの直葬が希望です。
直葬を担当する「お葬式のアデュー」さんにも連絡してあるそうです。
「主人は友人たちとお酒を飲みに行くのが好きで、お金もたくさん使いました
治療費もすでに多額になっており、年金を担保に借金して支払っています。」
経済的に苦しい状況です。
そんな状況であるからこそ、心を込めた丁寧なお見送りが必要でしょう。
以前、通夜やお葬式をおこなわず故人を送った方が、
後になって後悔し、相談に来られることがありました。
「あの時、本当にあれで良かったんでしょうか」と。
僧侶がそんな風に思わせてはなりません。
それ以来私は直葬の際には、
葬儀の規模や形式に関わらず、命はみな等しくお浄土へ還ること、
阿弥陀さまが必ず救うと誓ってくださっていることを伝えるようになりました。
お葬式をしなかったから故人が成仏できないなどと、
ご家族に思わせてはなりません。
その上で現代におけるお葬式の意味とはなんなのか。
僧侶も葬儀社も丁寧に考えていくべきでしょう。
心を込めて丁寧に。お金をかけずにできることです。
今は一日でも長く命が続くことを願って。