お仏壇が二つになってもいいの?

「実家にお仏壇があります。父が亡くなり、今は母が手を合わせています。私は結婚して別の場所に暮らしていますが、私の家にもお仏壇を置いて良いのでしょうか。」

相談者さんは、お仏壇が二箇所になることで、亡くなったお父さまが分裂してしまうようなことにならないか心配なさっているのです。

ここでしっかりと確認しておきたいことは、お父さまの行き先はお仏壇ではなく極楽浄土であることです。それは「すべての者を成仏させることができなければ私は仏にはならない」と誓われた阿弥陀さまが、いま仏となって目の前(お仏壇)にいらっしゃることで確信できます。その阿弥陀さまの誓いのとおり、成仏されたお父さまが、いつでも相談者さんを見守ってくださっています。

では、お仏壇は必要でしょうか。お仏壇は阿弥陀さまと極楽浄土をイメージして作られていますね。お仏壇の中央に位置する阿弥陀さまは願ってくださっています。「私を念じてそのまま来なさい。必ず救います。」その願いにお任せし、ナモアミダブツ、ナモアミダブツとお念仏をとなえます。お念仏は「私のままで行きます。ありがとうございます。」という意味です。お仏壇の前は、私が私のままで許されている場所です。悲しい私が悲しいままで。

ですからお仏壇は、どこのお宅にもあって良いと思います。相談者さんのお宅にもぜひ阿弥陀さまをお迎えしてください。それこそお父さまのお導きですね。

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