住職の日記

Kさん家のお仏壇

年に数回発行される寺報「善称寺だより」の
コーナーに「阿弥陀さ〜ん いらっしゃ〜い」があります。
今回は和歌山市内のKさん宅にお邪魔いたしました。

Kさんのお家には私が駆け出し坊主の頃から大変お世話になっておりました。
築何年くらいのお宅でしょうか、古民家という言葉がぴったりです。
壁や建具、調度品など、さり気ないのですがとても素敵なんですよ。
ご本人は「古いだけで」とおっしゃいますが、
大切に暮らされているのが伝わります。

そんなKさん家のお仏壇は、
いかにも浄土真宗らしい金仏壇です。
これまた年月を経て、家の一画にそっと馴染んでおります。
購入のご縁は、昭和28年にKさんの祖父が亡くなられた時だそうで、
当時は日高郡川辺町の和佐にお住まいでしたが、
御坊市の仏壇店から和佐まで背中に担いで運んだのだとか。
大変な時代ですね。

当時は金箔もピカピカで、
幼いKさんはお仏壇の中にある装飾を見て遊んだそうです。

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私もその装飾を見せていただきましたが、
僧侶や人々、天女のような人物もいて、何やら物語がありそうです。
当時のKさんはすごく珍しく思い、色彩もとても豊かであった為、
おままごとのような想像をして遊んだそうです。

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Kさんのお父さんは警察署勤務。
9人の大家族で、ご飯はたいてい麦ご飯です。
麦ご飯は今でこそヘルシーフードのような存在ですが、
当時の麦ご飯は黒くて平べったくてべちゃべちゃしていたそうです。
ほんのりと麦のにおいもあり、ぜんぜん美味しくなかったのだとか。
ですからたまに白いご飯の時があると「今日は白ごはん!」と喜んだそうですよ。

そんなKさん家の麦ご飯でも、お釜の真ん中だけは白いご飯だったそうです。
なぜだか分かりますか?
お仏壇にお供えする用に、麦ご飯の真ん中だけ少し白いご飯だったんですって。
人間は麦ご飯でも、仏様には白いご飯ですよ。
なんとまぁ、お仏壇が家族の中心になっているのがお釜の中の様子に表れていますよね。
なんまんだぶ。

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「小さい子がいる家庭にはお仏壇はとても良いと思います」とKさん。
私も、親が手を合わせる姿を見て育った子は、
知らず知らず大切なことを学んでいると思います。
命のこと、私たち大人はうまく話せないものですよね。

家族が引っ越したりしてお仏壇の場所は変わりましたが、
何十年もの時を経て今も変わらずKさんが手を合わせるお仏壇です。
いま私も、そこで手を合わせるご縁をいただいて本当に嬉しく思います。

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余談ですが、Kさんのお家には蔵のある素敵なお庭があります。
雑木林のような自然な庭にしたいそうですが、
なにしろ仏間から良い眺めなのですよ。
この庭にイチジクの木がありまして、
このイチジクをもぎって食べさせてもらったのです。
白イチジクという珍しい種類だそうで、
とても甘くて果汁がたっぷり。美味しくいただきました。

 

 

いつもお花がいっぱい永代供養付きの小さなお墓 ゆずり葉の碑
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